日本のウナギ根絶作戦が、ついに最終段階

ジャワうなぎ、日本へ 「世界最後の稚魚市場」から 東アジアでの激減背景に  (2013年04月20日)
東アジアでウナギ稚魚の不漁が続く中、ウナギ養殖のインダスト(熊本県玉名市)が、「ジャワうなぎ」の日本輸出を目指して奮闘している。西ジャワで養殖を始めて7年目。成果は実りつつあるが、日本人の口に合うウナギの育成が今後の課題だ。
中川勝也社長はインドネシアを「世界で最後の稚魚市場」と表現する。同社によると、世界で確認されているウナギの仲間18種のうち、7種が生息するインドネシア近海がウナギ発祥の地だと考えられており、稚魚は豊富だという。
ウナギの漁獲量が激減する日本での需要は大きい。日本のコンビニや流通業者から「早く届けてほしい」との要望が日に日に強くなっているという。
http://www.jakartashimbun.com/free/detail/10643.html

1960年代から、日本国内のシラスウナギ漁獲量が減少した。日本は、資源回復の措置をとることなく、1990年代から、海外のシラスウナギを輸入する体制に移行した。持続性を無視した消費で、北米とヨーロッパのウナギを絶滅寸前まで食べ尽くし、自国のウナギ資源も絶滅危惧種になってしまった。

東アジア、ヨーロッパ、北米のウナギを食べ尽くした日本市場が、「世界で最後の稚魚市場」に食指をのばしている。もし、インドネシアのシラスウナギを大規模に利用するための準備が整ったら、このウナギ資源も、ニホンウナギ、アメリカウナギ、ヨーロッパウナギと同じ運命を辿るだろう。


 ニホンウナギの資源状態についてより引用

魚が無くなるまで食べ尽くし、余所の産地に移る。それを繰り返して、最後のシラスウナギの産地を潰そうとしている。日本人がやっていることはイナゴと同レベル。

「売れるものは、何でも集めてくる」商社と、「いま食えればそれで良い」という消費者。どちらも持続性なんて、これっぽっちも考えていない。無責任で恥知らずな乱消費をしておきながら、なにが「魚食文化」だ。へそが茶を沸かすよ。

持続性を無視した消費を続ければ、いずれは自分たちが食べるものがなくなるということに、日本人は気づかないといけない。

われわれが、いま考えるべきことは、「どうやって、世界最後のウナギ資源を開発するか」ではなく、「乱食を止めて、持続的な水産物消費に移行するには、どうしたらよいか」である。ウナギを反面教師にして、マグロを含む他の水産物を食べ尽くさないように、責任ある水産物消費へと舵を切らなければならない。

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日本のウナギ根絶作戦が、ついに最終段階 への5件のフィードバック

  1. shizue のコメント:

    オーストラリアの中国系食品店で シラスうなぎの冷凍した固まり1キロ位のが わんさと 売られていました。 値段もそんなに高くなかった様で驚きましたが これは 普通にあることなのでしょうか?

  2. hs のコメント:

    俺は、貧乏だから余程のことがない限り、うなぎは食べられない。

  3. 房総族 のコメント:

    ほかの魚では一生懸命資源を再生しつつ獲っているのに、なぜウナギだけこんな焼畑農法のような前近代的な資源管理をとっているのでしょうか。「カネになるから」というのが理由なら到底許されるものではない。

  4. unknown のコメント:

    ほかの魚もほぼ同じですよ。資源管理なんてできてないですよ。

  5. あああ のコメント:

    ほかの魚では、というが何の魚と比較しているのでしょうか。高度回遊魚として比較するならば、マグロにおいては、地域漁業管理機関により漁獲規制が行われています。責任のある行動が!といっても、実効性のある資源回復の一つである漁獲規制などは経済的打撃も大きく、日本政府としてはウナギやマグロの資源回復よりも資源の利用が優先され、国際会議においても主張されるのは当たり前のことのように思いますね。
    逆に日本政府が資源管理に積極的であるかのようにとらえられる事のほうが間違っていますね。漁業に関してはかなり横暴なんで、国際的な批判によったり、受動的な漁獲規制だったりがされること以外考えられませんね。

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