- 2009-03-30 (月) 15:08
- 日記
28日のシンポジウムは楽しかったよ。人も入っていたし、皆、熱心に聞いてくれた。漁業者サイドの大本営発表以外の話を聞く機会はあまりないだろうから、新鮮だったようだ。俺としては、漁業村の外の人々に問題を理解してもらうために、できるだけかみ砕いたつもりだが、ちょっと分量が多すぎたような気もする。漁業に関しては、話すべきことがたくさんあるから、どうしても分量が多くなりがちだ。あれでもかなり省いたんだけど、もう少しカットした方が良かったかも。いろいろな人と知り合いになれて有益でした。シンポのあとのミーティングでは、久々に伊沢さんとも話せたし、楽しかったです。今後も、よろしくお願いします。 m(_ _)m
MPAシンポジウムは勉強になったよ。海洋保護区にむけて、国内でも気運が高まりつつある。残念ながら、漁業がMPAの最大の障害になっているようだ。MPAに関する議論に、水産庁は参加していない。海洋基本法でも一貫して、知らぬ存ぜぬだったようだし。はっきり言って、そのような消極的な姿勢ではダメだと思う。日本の国益を維持するには、国として、一貫した海洋政策を持つ必要がある。水産庁の役割はその邪魔をすることではなく、国の海洋政策を漁業者にとって利益があるものにすべく、協力をすることだと思う。水産資源の持続的利用にすら後ろ向きの組織が、MPAに前向きに取り組むとは思えないので、このまま海洋政策に占める漁業の発言権は減少するだろう。結局、損をするのは末端の漁業者であり、国民(特に未来の世代)なのだ。
ほとんどの漁業者がMPAには消極的だが、それも残念な話である。MPAによって、漁業者が持っていた既得権が一部失われることになるが、その対価として資源の保護ができる。また、保護区の維持に、漁業者が主体的な役割を果たすことで、海の守人としてのイメージアップにもつながるだろう。今後も、漁業権という特権を維持していくためには、世論の納得が必要だと言うことに、手遅れになる前に気づいてほしいものだ。
会議の中身に関しては、かなり具体的な話が多かったように思う。霞ヶ関の方をむいて議論をしているような印象を受けた。実際に世の中を動かすためには、法制度や行政対応なども必要になるのだろうが、その前段階の足場固めが重要だ。日本は国として海面をどのように利用するのか、そして、そのために保護区にどのような機能を期待するのか、という目的の部分を明確にするのが先だろう。急がば回れではないが、保護区を作ることで、国民にどのようなメリットがあるかを、明確にするのが最初の課題だろう。それには、
- 現在の海面の利用にどのような問題があるのか
- 保護区によって、問題はどの程度緩和されるのか
この2点について、科学的な議論をする必要があるのだが、海洋生態系に対する最大の負荷である漁業の情報が日本では全く公開されていない状況だから、議論の根幹が固まらない。ここも、俺の出番なのだろうか(笑
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- 28日のシンポジウムの感想 from 勝川俊雄公式サイト