その3が目で見るシリーズの最終回です。
魚が冷凍されるまでのプロセスをフォローします。
最後に、日本漁業を立て直すための緊急提言もアリます。
ノルウェーではサバは一番高い時期に一番高く売れるものしか狙いません。
漁獲枠も科学者の勧告(日本よりずっと厳しいヨ)にしっかり従います。
だから、持続的に価値の高い魚を生産できるのです。
限られた魚を高く売るために、いろいろな工夫をしています。
日本では、「漁業者には生活がある」と言っては、いくらでも獲らせてしまう。
漁業者は、多く獲ることばかり考えて、魚の質は2の次です。
結果として、単価は上がらない。
漁業者は、値段を上げる努力をするどころか、
目先の利益を確保するために、小さい魚まで獲りまくるから、ますます資源は減る。
結果として、自分で自分の首を絞めているのです。
ノルウェーのやり方と、日本のやり方のどちらが、
本当の意味で、漁業者の生活を守ることになるのかは明らかです。
日本のやり方はその場しのぎであり、長い目で見て漁業者の生活を守れません。
もちろん、それぞれの国によって、事情が違いますので、
ノルウェーの猿まねをすればよいという訳ではありませんが、
持続性を大切にすると言う姿勢は見習う必要があります。
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Comments:2
- kato 07-11-15 (木) 16:26
-
おかげさまで、先月のデーリー東北の新聞記事http://www.daily-tohoku.co.jp/kikaku/kikaku2007/hama/hama01.htmが良く見えるようになりました。
キモは工場や機械の優秀さではなくシステムですね。最初の水揚げを見ていると日本は手間がかかりすぎに見えます。もっとも水揚げというよりは原料の補充なのかもしれませんが。
鮮魚信仰(冷凍は格下)意識の違いも大きいのかな…。
- 勝川 07-11-24 (土) 7:15
-
>鮮魚信仰(冷凍は格下)意識の違い
これはありますね。
鮮魚にこだわる限り、需要は伸びないし、
魚価も上がらないでしょう。
鮮魚向けのルートは残しつつ、
冷凍・加工向けに最適化されたルートが必要でしょう。
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