- 2008-09-21 (日) 2:48
- マスメディア
9月20日22時から、「ブロードキャスター」(TBS系)という番組の
特集「シリーズ 食料自給」で漁業の問題がとりあげられました。
あまりのお粗末さに、びっくり仰天、あきれまくり。
最終回らしいけど、こんな番組は打ち切って正解だろう。
日本近海の水産資源が枯渇していることを意図的に外して、もっと補助金をばらまけという趣旨。
そんなことをしても漁業は酷くなるだけでしょう。
コメンテータは、「国が何もしない」とか言っていましたが、
漁業の補助金の金額は、日本はダントツで世界最高ですよ?
乱獲を放置して、ばらまくだけだから、駄目なのは明白だろうに。
五島にIターンで漁師が一人来たというのを美談にしているのも、あきれてしまう。
東シナ海は、日本のトロールと中国漁船が荒らして、砂漠のようになっている。
五島で漁業が成り立たないのは、漁業者がいないからではなく、魚がいないからだろう。
ベテラン漁師が「今は一月かかって、以前の1日分しか水揚げ出来ん」と言っているのを番組でも流している。
そんな状況で、公的資金でIターンを進めても、ただの税金の無駄遣いだろう。
漁業フェアで、若者をだまして連れてきても、
ベテラン漁師ですら捕る魚がいないんだから、定着するはずがない。
ノルウェーの最新鋭の漁船が紹介されていたが、
ノルウェーでは、資源管理をして、大きな魚を安定供給するから、産業として利益が出る。
資源管理で漁業が儲かるようになったから、船が新調できるし、後継者も育つのだ。
ノルウェーの漁船はすべて、漁業者が自前で購入している。
税金で日本の漁業者にノルウェーの漁船を買いあたえたところで、
無規制ななかで乱獲が進み、魚が減るだけだろう。
なんで、そんな当たり前のこともわからないのか?
「ノルウェーでは国を挙げて漁業の再編に取り組んだから、
日本も国を挙げて、漁業に補助金を入れろ」と言うような話だけど、まるでナンセンス。
ノルウェーの漁業者に補助金のことを聞けば、「補助金はない方がよい」と口をそろえる。
ノルウェーで、まともな取材をしたら、補助金を増やせと言う番組ができるはずがない。
下の図はノルウェーの漁業生産における補助金と利益の割合なんだが、
補助金を減らすと利益が出るという構図は明白だろう。
ノルウェーの漁業者は船は自分の稼ぎで買っているのに対して、日本は燃油まで補助金だ。
こういう都合が悪い話は隠して、補助金バラマキ論を展開するのは、
「補助金増額への世論誘致」という結論が最初にありきなのだろう。
資源管理もしないで、バラマキをするから、日本漁業は衰退をする。
これまで以上にバラマキを進めろなんて、日本漁業を殺す気だろうか?
日本の水産行政と同じく、大局的な視点を欠いた酷い番組でした。
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