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勝川俊雄公式サイト

第20回海洋工学シンポジウム

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第20回海洋工学シンポジウムの順応的管理のセッションで話をします。
http://www.ocean.jks.ynu.ac.jp/~oes2008/

プログラムはこちら
http://www.ocean.jks.ynu.ac.jp/~oes2008/program/timetable_ver3.pdf

3月19日 9:20~9:40 水産資源の持続的利用のための順応的管理(勝川俊雄)

パネル討論:「順応的管理の捉え方」もあります。また、同じ会場で13:00から、

【招待講演】
【口頭発表】
包括的環境影響評価に関する国内外の動向
松田裕之(横浜国立大学大学院教授)

もあります。

北洋シンポ

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北洋シンポの発表をアップしました。
ライブではなく、スタジオライブです。

今回もマサバを例に日本の乱獲をDISしているのですが、
「沿岸は沖合と別物だから、分けて話をしてくれ」というコメントがつきました。
本当に、沿岸漁業はここで指摘しているような過剰競争&乱獲とは無縁なのでしょうか?
俺には、沿岸も沖合も50歩100歩にしか見えないのですが・・・

北海道音響資源調査研究情報交換会の雑感

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ここ(http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/10/post_223.html)に書いたように、
北海道では計量魚探をつかって、漁獲開始前にスケソの加入量が推定できるようになった。
資源評価の助言をするにあたり、俺自身も魚探による資源量推定の現状を理解する必要があるので、
札幌で開催された情報交換会に参加してきた。
俺は魚探に関しては素人なんだが、実に勉強になった。
この手の漁業と独立した調査は、最重要課題として進めていくべきだと確信した。

調査の充実には目を見張るものがあった。
数年でこのレベルまで来るとは、正直、驚いた。
この魚探調査の情報を活用すれば、良い評価票が書けそうです。
会議の内容は非公開だと思うので、具体的なことが書けないのが残念。

ただ、日本海系群に関しては手遅れ感が漂うのもまた事実。
「5年前にこの情報があれば・・・」という思いを皆がかみしてめいることだろう。
資源が減少していく中で議論が紛糾したことが切っ掛けで研究が進んだわけですが、
困ってからがんばっても手遅れになりますね。
本来は、転ばぬ先の杖として、やるべき仕事ですので、
太平洋系群やほっけに関しては、今後も精力的に進めていただきたいものです。
日本海系群に関しては、獲ってしまった98年級群を元に戻すことはできないので、
今海にいる魚をどう使うかを議論していきましょう。

水政審はTACへの説明責任を果たしてください

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水政審でTAC制度の見直しをするらしいのだが、コメントを聞くと水産庁の従来の主張を繰り返しているだけだ。水政審はTAC制度が批判を受けている理由が理解できていないのだろう。

資源研究者が、水産生物の持続的な利用のための漁獲量の閾値(ABC)を毎年計算している。それを元に、実際の漁獲枠(TAC)が設定されることになっている。本来は漁獲枠(TAC)は持続性の範囲(ABC以下)でなければならないのだが、日本ではABCを大きく上回る漁獲枠が慢性的に設定されている。そして、そのような乱獲とも思われるTACが許容されている根拠が示されていない。さらに、いくつかの魚種でTACを大幅に超過する漁獲が野放しにされている。TAC制度が批判されている点を箇条書きすると次のようになる。

  1. ABCを大幅に上回るTACが慢性的に設定されている
  2. TACの値を設定する根拠が全く示されていない
  3. TACを超える漁獲が野放しであり、資源管理としての実効性がない。

残念ながら、水政審は、これらの問題に真摯に対応するつもりはなさそうである。

 資源管理分科会の櫻本和美分科会長(東京海洋大教授)も現在のTAC制度について「早急に見直しを行い、制度を改善する必要がある」との見解を示した。「従来の日本の管理方式とは異なるものの、システムとしては洗練されたものとなってきた」としながら、一方で「不満がないとは言えない。TACが資源管理に有効に機能していないとの批判が出ており、資源管理分科会としてもこれを真摯に受け止め、説明責任を果たす必要がある」と強調した。

実際の漁業への影響力がないABCのあら探しをしている暇があったら、実際に管理で使われているTACに対する説明責任を果たしていただきたい。 水政審には、TACの設定根拠を明らかにした上で、ABCよりもTACの方が妥当であることを説明する責任がある。きちんと筋を通した上でABCを無視するなら、文句を言うつもりはない。水政審は、自らが承認したTACの根拠を示さずに、ABCのあら探しをしているだけでは論外である。

 具体的には、TACがABCより大きく設定されている批判に対しては①漁場形成などの関係からTAC達成率の低い魚種に対しては、ABC=TAC達成のためには「ABC÷TAC達成率=TACとすることが必要」(すなわち、TACはABCより大きく設定しなければならない。ただ過去のデータから妥当性を検討すべき)と説明。

漁場形成が変化しても漁獲量をTAC以下に抑える漁獲枠配分システムを作れば良いだけの話であり、漁場形成を口実に安易にTACの水増しをすべきではない。「ただ過去のデータから妥当性を検討すべき」という部分もぶっ飛んでいる。ABCを超えるTACを設定しておきながら、その妥当性は検証してないってことだよね。無責任にもほどがある。

加えて②ABCの定義の問題として、唯一のABCの値があたかも絶対的なものと解釈されている。TACがABCより大きいことがすぐ乱獲であると一般に理解されるが、ABCはあくまでも人間が定義するもので、研究者間でも合意が得られていない。合意できるABCの再定義が必要。

「ABCを少し超えた」というレベルではなく、倍や3倍は当たり前なんだから、明らかに乱獲である。マイワシのTACなんか現存量を超えていたのだ。こういった漁獲枠の妥当性に対する水政審の見解をお聞きしたいですね。 ABCが絶対に正しいとはおもわないけど、マイワシのTACは絶対に間違えていると思う。

 研究者の合意が得られてないと言うが、合意していない研究者って誰だろう。俺が知っている範囲で、ABCに文句を言っているのは、自称研究者の天下り役人ぐらいなんだが。TACと違って、ABCは公開の会議で議論の上、承認されている。納得いかない研究者がいるのなら、ブロック会議で意義を唱えれば良いだけの話である。

北洋研究シンポジウムで話をするよん

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明後日の発表の準備をしています。
今回も崖っぷちです。

第39回北洋研究シンポジウム
水産資源サステイナビリティ学と海洋生態系

共  催:水産海洋学会、北海道大学大学院水産科学研究院
日  時:2008年3月2日(日)9:00~17:00
場  所:北海道大学 学術交流会館 (〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目)
コンビーナー:帰山雅秀・齊藤誠一・桜井泰憲(北大院水)

挨  拶:水産海洋学会長  渡邊良朗(東大海洋研) 9:00-9:15
     北大院水産科学研究院長 原 彰彦
趣旨説明:帰山雅秀(北大院水)  9:15-9:20
座長  齊藤誠一(北大院水)
1.生態系アプローチによる持続可能な水産資源管理に向けて
  帰山雅秀(北大院水)   9:20-9:50
2.海洋保護区と漁業                  桜井泰憲(北大院水)   9:50-10:20
3. 長期的な気候変動と漁獲に対する海洋生態系の応答   谷津明彦(北水研)  10:20-10:50
4.変動する水産資源の順応的リスク管理         勝川俊雄(東大海洋研)  10:50-11:20
5.海洋生態系の健全性の指標としての持続可能な漁業   松田裕之(横浜国大)  11:20-11:50
昼食       11:50-13:00
座長  桜井泰憲(北大院水)
6.海洋生物と生態系にやさしい漁具の開発        藤森康澄(北大院水)  13:00-13:30
7.北海道における資源管理の現状と問題点        鳥澤 雅(道中央水試)  13:30-14:00
8.日本海、根室海峡におけるスケトウダラの資源変動と海洋環境
石田良太郎(釧路水試)・三宅博哉(道中央水試)・八吹圭三(北水研)   14:00-14:30
休憩                                    14:30-14:50
座長  帰山雅秀(北大院水)
9.サケ類の資源管理                 永田光博(道水孵化場)  14:50-15:20
10.水産行政における水産資源管理のあり方 -特にMSCとエコラベルについて-
幡宮輝雄(道庁)     15:20-15:50
11.水産資源管理の理論と実践             牧野光琢(中央水研)  15:50-16:20

総合討論            座長:桜井泰憲(北大院水)    16:20-17:00

開催趣旨
水産資源は人類にとって再生産部分を利用するサステイナブルな資源であり,種レベルに限らず海洋生態系をベースとした持続的資源管理法を取り入れていくことが肝要である。しかし,人類の食料資源は陸域生態系での生産飽和状態という現状を踏まえて,水産資源への需要が益々増加し,資源争奪の激化が国際問題化しつつあり,将来にわたり海洋生態系から食料をどのように安定的に受給することができるかが人類の課題となりつつある。本シンポジウムでは,今世紀における人口増加対策としての食料確保という観点から,海洋生態系の保全と水産資源確保をどのように包括的かつ具体的に解決するかを議論し,生態系ベースの持続可能な資源管理に向けた水産海洋科学の重要性を考える。

みなと新聞連載 08年2月分

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勝川俊雄の最新の論説が読めるのは「みなと新聞」。
資源管理賛成派も、資源管理反対派も、要チェックです。

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ウナギ・ロンダリング

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現場発:台湾、シラスウナギ禁輸 産地偽装、今も密輸
台湾が昨年11月から、資源保護などを理由に約5カ月間のシラスウナギの全面禁輸に踏み切った。しかし台湾の養鰻(ようまん)業者に聞くと、「シラスは産地を偽装し、禁輸期間中の今も日本に密輸されている」という。取材を進めると、ウナギを独占的に食べ続けてきた日本人の食生活が生み出したともいえるウナギの不透明な生産、流通の実態が浮かび上がった。
 ◆上海など経由「香港産」に 業界では公然の秘密
http://mainichi.jp/select/world/news/20080204ddm007030143000c.html

ウナギロンダリングですか。まあ、そんなことだろうと思ったよ。こんなブラックなものは食べたくないなぁ。

ヨーロッパのサバ漁業

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ノルウェーのニシンとサバがMSC申請

-Two Norwegian fisheries have applied to be assessed for certification under the Marine Stewardship Council’s (MSC) standard for sustainable and well-managed fisheries. If successful the Norwegian Spring spawning herring fishery and Norwegian North East Atlantic mackerel fishery will be to display the distinctive blue MSC eco-label on their catch.
“Recently an initiative was taken by the Norwegian Fishing Industry to undergo a full assessment of both Atlanto-Scandic fisheries for herring and mackerel to be caught by Norwegian fishermen in the forthcoming season.
The aim of the assessment is to have these fisheries certified under the MSC- standard,” says Knut Torgnes, Sales Director of Norges Sildesalgslag.
http://www.sildelaget.no/ShowArticle.aspx?idx=ENGNyhetsartiklerActive&ArticleId=23334

Knutさんは、Bergenでノルウェーのオークション・システムについて説明してくれた浮魚漁業組合の人だな。ニシンとサバでMSC申請とは、ノルウェーも頑張ってますね。MSC申請をするような漁業がどういう管理をされているか、興味がある人も多いだろうから、ヨーロッパのサバ漁業資源について簡単にまとめてみた。(26分 22MB )

当サイトは、受験生を応援しています

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今日は入試の監督をしてました。
2次試験の前期なんだが、国語が150分、数学が100分もの長丁場。
受験生も大変だろうけど、監督もやること無くてつらいです。

国語の問題をざっと見たけれど、一番難しかったのが漢字。
最近は手書きでは自分の名前ぐらいしか書かないから、めろめろです。
古文は訴訟に勝てる魔法の帷子の話だった。米国人垂涎のアイテムだな。
漢文が、科挙に何年も落ち続けている受験生の話だった。
「何可成」が「受かってるわけねーだろ」という意味の反語だと気づけばOK。

数学は、いつもながら思考力を問う、良問揃い。
やっぱり、東大の入試問題はレベルが高いね。

(問2)
黒と白のカードがあります。手持ちの札は常に4枚。そのうち1枚を無作為抽出で取り出して、別の色のカードに取り替えるという作業を繰り返します。最初に白が2枚、黒が2枚あります。n回目の操作で初めて全部の色が同じになる確率を求めなさい。

(問3)
点A(1,0)、B(-1,0)、C(0,-1)がある。∠PAC=∠PBCになるようなPの集合を図示しなさい。

回答例は以下を参照。

業務連絡 その2

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いろいろとご心配いただいているようなので、補足説明をします。

ある会議での大本営幹部の発言を、ブログで取り上げたのです。そうしたら、取り上げられた本人から、会議の主催者にクレームが入ったそうです。そこで、主催者から俺に「消してもらえませんか」という話が来たので該当記事を消したわけです。

削除に対して、納得しているわけではありません。会議が非公開という話は聞いていなかったし、公人が税金を使っている事業について話をしたのであれば、内容に対して責任を負うべきでしょう。もし、俺が書いたものに間違いがあるなら、俺に対してちゃんと説明すればよいだけの話です。俺だって自分が間違えていたとわかれば、謝罪文の一つでも書きますよ。裏からこそこそやってくる時点で、反論できませんと言っているようなものです。

ただ、削除してそれで終わりにするつもりはありません。どうせ同じようなことを別の場所でも言っているだろうから、近日中に公開文書をソースにして、同じ内容の記事を復活させるつもりです。記事を取り下げたのではなく、文句のつけようのないソースを探していると理解してください。

以上のようなことですので、読者コメントと今回の件は関係がありません。また、トラブルと言うほどのものでもないんですね。削除した記事にいくつかコメントがついていたのですが、記事を消したらコメントも消えてしまって、もったいないなと思っただけです。コメントは当ブログの目玉ですので、今まで通り率直なご意見をお願いします。

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from 18 Mar. 2009

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