死闘!値上げの冬 ~価格は誰が決めるのか

日経スペシャル「ガイアの夜明け」 1月22日放送 第298回
死闘!値上げの冬 ~価格は誰が決めるのか
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview080122.html

こんな番組があったんだね。
超タイムリーではないですか!!
今さっき、気がついたんだが、放送終わってるじゃん・・・ orz

だれか録画した人いないかなぁ。
見た人は、感想だけでも書き込んでください。

ありがたいことに、録画を送ってもらえることになりましたっ!
ワーイ \(^▽^)/

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類似品にご注意を~日本版エコラベル

日本でも独自のエコラベルをつくる取り組みが始まっている。
すでに、口が悪い読者からは「泥棒が売る防犯グッズ」などと揶揄されているとおり、
かなり駄目っぽい。

資源管理更新国である日本では、MSCのエコラベル認証をとれそうな漁業はほとんど無い。
MSCのエコラベルが普及すれば、資源管理をしている国とますます差をつけられてしまう。
そこで考案されたのが日本独自のエコラベルだ。
エコラベルを貼れない日本の漁業者がかわいそうだから、
誰でも張れるエコラベルを自前で準備したのだろう。
(そもそも資源管理をまじめにやろうという発想は無いのだろうか?)
電車賃程度で認証可能という時点で、消費者をを小馬鹿にしてる。
担当者「資源管理やってる?」
漁業者「うちは、ちゃんとやってるよ」
担当者「このシールを張っておいてね。それじゃあ。」
というようなことが行われるのは目に見えている。

厳密に審査をされたMSCのエコラベルと、誰でも張れる日本のエコラベルはまったく別物である。
しかし、一般の消費者にはエコラベルの区別はつかないだろう。
まんまと騙されて、非持続的な漁業で獲られた魚を高く買わされてしまう。
これは、乱獲された魚を騙して売りつけられる日本の消費者にも、
まじめに管理に取り組んでいる一部の日本の漁業者にも不幸な事態である。

MSCのエコラベルの根底にあるのは差別化の思想である。
消費者の力で、持続的な漁業を勝ち組にすることで、
世界をより持続的な方向に導くという狙いがある。
一方、日本版エコラベルの本質は、みんな横並びの護送船団である。
みんなで足並みをそろえて、仲良くシールを張りましょうということだ。
似たようなシールを無差別に貼れば、消費者は判断基準を失ってしまうので、
非持続的な日本漁業が差別されるのを防ぐことができる。
世界のエコラベルが目指す差別化を台無しにする効果があるのだ。
同じような取り組みでも、運用次第でまったく逆の機能を持つのである。
本来は資源管理だったはずのTAC制度も、
水産庁が運用すれば乱獲を容認するための免罪符に早変わりする。
こういうところだけは、本当に知恵が回る。
その知恵を、漁業を良くするために使って欲しいものである。

護送船団方式は、産業を傾ける確実な方法である。
生産性が低い、非持続的な経営体を保護する代償として、業界全体が沈んでいく。
味噌もくそもごった混ぜにして、横並びでシールを貼ろうという計画は、
漁業にとって百害あって一利なしである。
こういった愚行を、食い止めるのが専門家の使命であろう。
TAC制度も、ABCとTACの乖離をネチネチと指摘し続けた結果、
徐々にではあるが風向きが変わってきつつある。
日本版エコラベルに関しても、非持続的な漁業に対してシールを貼っていたら
嫁をいびる姑のように、ネチネチと問題にしていきたい。

認証第1号は2008年度半ばになる見通しだ。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200712070039a.nwc

ということで、どんな漁業がでてくるのか、わくわくしながら待つことにします。

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ベルゲン鉄道

ベルゲンとオスロをつなぐ路線は、雄大な風景で有名な路線です。
夏は大勢の観光客でにぎわうようですが、冬の訪れを感じる10月はがらがらでした。

漁業とは全く関係がないですが、興味がある人はどーぞ。
ビデオは、76MBです。

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エコラベルという新しい試み

消費者には、その魚が持続的に漁獲されたものか、
それとも乱獲されたものかを区別できない。
乱獲された魚と資源管理された魚では、
短期的には乱獲された魚の方が値段が低くなる。
悪貨は良貨を駆逐するということになるわけだ。
これは、まじめに資源管理をしている漁業者にとっても、
将来も魚を食べ続けたいと考える消費者にとっても不幸な事態である。

この状況を変えるための試みとして、
MSCのエコラベルが世界的に広まりつつある。
MSCのエコラベルは持続的に漁獲をされた魚にシールをはる。
意識の高い消費者が持続的な魚を選べるようにする試みだ。
下の青いシールが目印だ。

Image200801201.png

エコラベルの取り組みは、ユニリーバとWWFが初めて、
現在は非営利団体(Marine Stewardship Council)が運営している。

 合計で、およそ70の漁業がMSCの取り組みに携わっており、
24漁業が認証済み、34漁業が審査中、さらに20から30が非公開予備審査を受けている。
これらの漁業を合わせた水産物の年間漁獲量は4 百万トンを超える。
日本の海面漁業生産と同じぐらいだ。
世界の海面漁業生産(中国のぞく)の7%がMSC認証を受けている計算になる。

特にMSC認証率が高いもの
世界の天然サケ漁獲量の42パーセント
世界の主要な白身魚漁獲量の40 パーセント
世界の食用イセエビ漁獲量の18 パーセント

日本では、イオングループがMSC認証の水産物を販売しているものの、
あまり目にする機会はないだろう。
しかし、欧米ではすでに市民権を得たと言っても良い。
たとえば、マクドナルドやウォールマートは、
MSC認証製品以外の水産物は扱わないと宣言している。
07年11月に、MSC認定製品が1000に達した。
最初の製品から500 番目の製品までには7 年もかかりましたが、
それからわずか9 カ月間でその数は倍増したのだ。
持続可能な認証水産物の需要はきわめて高い。
消費者の意識の低い日本ではアレだが、
世界では持続的であることがビジネスチャンスを生むのである。

日本漁業でもMSC認証を目指す動きがある。
京都府機船底曳網漁業連合会(アカガレイ、ズワイガニ漁)、
北海道のホタテとサケが審査中だったかな。
まあ、どこもすんなりとはいかないようですね。
京都のズワイガニはまだ正式に認証されてはいませんが、
すでにフランスから輸入の申し込みがあったりするようです。
小サバの輸出みたいなのは即刻止めるべきだけど、
日本人よりも高く買う国には、輸出を促進すべきだろう。
そのための一つの手段として、エコラベルは重要だ。
ただ、認証には数百万単位で費用がかかるのがネックかな。
まあ、まじめに審査をすればそれぐらいの出費にはなると思う。

意識の高い生産者が、生産現場の情報を消費者に与える。
意識の高い消費者が商品を買うことで、持続的な漁業を支える。
エコラベルは、生産現場と消費者を結びつけることで、漁業を変えようという新しい試みだ。
MSCの今後の発展に期待をしたい。

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Our Daily Bread

食料生産現場と消費者の接点を増やす必要がある。
それは、生産者・小売り・消費者すべてにとって、長期的な利益があるだろう。

そこで、食育ということになるわけだが、
日本の食育はどうもうさんくさい。
国産品を美化して、高く売りつけようという魂胆が見え隠れする。
国産品プロモーションのような印象である。

俺が良いなと思ったのは、Our Daily Bread という映画。
食料生産の現場の画像を淡々と流すだけで、
後は、受け手が考えろというようなシンプルな構成だ。
実はまだ見てないんだけど(てへっ
公式サイトのイカスTRAILERを見るだけで、この映画の凄みを感じることができる。
http://www.ourdailybread.at/jart/projects/utb/website.jart?rel=en&content-id=1130864824948

現在、日本でも上映中です。
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/
ポレポレ東中野で2月に上映予定なので、見に行くつもり。
ただ、邦題の「いのちの食べ方」というのは、いただけない。
箸の上げ下げまで注文をつけられるような、押しつけがましさを感じてしまう。
この映画は、食べ方について説教しようというような内容ではないはずだ。
映画自体は興味深いだけに、ひどい邦題は実に残念だ。

日本でもこういう試みがあっても良いだろう。
農水省がやると国産品のプロモーションになってしまうだろうから、
NGOか文科省あたりに期待をしたい。

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魚の小売り価格は、肉が決めている

情報の分断に小売りが果たす役割は大きい。
小売りは徹底的な情報規制をする。
「大丈夫。店に並んでいる物はすべて安全です。
皆さんは値札だけをみて、好きな物を選んでください。」
その結果、消費者はどんどん買いたたく。

では、小売りが一人勝ちかというと、そうでも無さそうである。
小売りは小売りで、厳しい競争に晒されており、
自分たちで好きな値段をつけられるわけではないのである。

生鮮食料品(肉・魚)の価格の変化を消費者サイドから見てみよう。
内務省統計局の家計調査(二人以上の世帯
http://www.stat.go.jp/data/kakei/2006np/02f.htm)から、
家計が購入した生鮮魚介と生鮮肉の平均単価を抽出した。

image08011801.png

70年代、80年代を通して、魚の単価は安定的に上昇し、1990年代前半に肉の単価に追いついた。
その後は、同じようなトレンドで推移している。
1991年の牛肉自由化によって、肉の単価が下落すると、魚の単価も同じように下落した。
2003年12月に米国でBSE感染牛が発見されると肉単価の上昇した。
その後、魚の単価も引きずられて上がっている。
肉と魚は競合関係にあり、その価格には強い相関がある。。
魚の末端価格を決定するのは、肉の値段であり、
肉の値段は様々な国際情勢に左右される。

一部の生産・加工業者は、安売りをする小売りが諸悪の根源のように言うのだが、
それは違うだろう。
魚の値段を決めているのは小売りではなく、肉を巡る国際情勢である。
小売りは小売りで、与えられた条件の中で厳しい競争を繰り広げている。

ただ、競争の結果のひずみが弱いところに集中している現状はある。
獲った魚を並べて、「値段はそっちでつけてくれ」というスタンスの漁業者が最も弱い。
漁業者もブランド化などの努力をしているが、
現在のように生産現場と消費者が分断された状態では限界があるだろう。

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食の安全はどのようにして失われたか

赤福、不二家、雪印、ミートホープなどの事件によって、
食の安全に対する信頼が揺らいでいる。
生産者サイドは消費者の信頼を取り戻そうと必死になっているが無理だろう。
パンドラの箱は空いてしまったので、知らないで安心という状態には戻れない。

ミートホープの偽装肉事件では、
経営者は「半額セールで(冷凍食品を)喜んで買う消費者にも問題がある」と逆ギレし、
「この値段でまともな肉を出せるわけ無い」といなおった。
これに対して、他の食品生産者はミートホープにおおむね同情的だった。
「ミートホープがやったことは許されることではないが、気持ちはわかる」
明日は我が身、他人ごとではないのだろう。

一方、消費者にとってそんなことは寝耳に水だ。
「表示を信じて、安心して買っていたのに、、、」となる。
店に並んでいるものは、最低限の安全水準をクリアしていると疑わない。
だから、値札だけ見て、安心しきって買っていたのである。
消費者にとっては、ミートホープのような偽装は、背信行為に見えるだろう。
ただ、食品業界をそういう方向に導いたのは責任の一端は消費者にもある。

消費者の選択基準が、見た目と値段しかないなら、
それ以外の要素は極力排除されるのは当然のことである。
食料生産の現場は「見た目を維持しながらコストダウンをする」という競争に晒されている。
まず、大手スーパーなどの小売りが値段を決める。
値段は上がらないが、経費は上がっていくなかで、
損失は生産、加工、流通が飲むことになる。
ギリギリもしくは限界を超えたようなコストを要求されている食料生産の現場から、
見た目と値段に影響を与えない要素が失われていく。
添加物による見た目のごまかしは、もちろんのこと、
安全基準に抵触するようなコストダウンの誘惑もあるだろう。
このような背景があれば、ミートホープへの生産者サイドの同情的な態度はよくわかる。
「いけないことだというのはわかるが、そうでもしないとやっていけない」
食料生産の現場は、そこまで追い込まれているのだ。

食料生産と消費者の関係は、悪循環である。
思考停止して、安全を信じる消費者は、容赦なく買いたたく。
小売りが間にはいることで、一方的に値段をつけられてしまう。
生産者サイドは、無理難題を押しつけられても、飲まざるを得ない。
生産者サイドの悲鳴は、消費者には届かない。
ギリギリまでコストを削減した結果として、安全性や味が失われていく。
卵、牛乳、肉、野菜、魚など、本来の味がしない食材があふれている。

コスト削減の結果、不正ぎりぎりのところまで追い詰められる生産者、
安かろう悪かろうといった食べ物を知らずのうちに食べさせられる消費者、
この両者にとって、不幸な事態である。
食料生産の現場と、消費者が切り離されている限り、この悪循環は続くだろう。
いずれ、そういう食品しか製造できなくなっていくだろう。

食の安全が砂上の楼閣であることは、想像力を働かせればわかるはずだ。
外食産業で働いている人間の多くは「この店でだけは食べたくない」という感想を持つ。
内情を知ったら食欲が無くなるような店が少なくないのだ。
消費者と距離が近い外食産業だって、壁一枚隔てればこんな感じなのだから、
消費者との距離が更に遠い製造、加工、流通がどうなっているかは推して知るべしだ。

ぼろが出たところを「例外」と切り捨てて、
社会的制裁といわんばかりにバッシングしても、問題は何一つ解決しない。
食の安全が失われている現状を変えない限り、幾ら安全宣言をしても無駄だろう。
消費者はいくらなんでもそこまでバカではないし、情報を隠すにも限界がある。

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食料生産の過程への無関心とヨーロッパウナギ

豪州人と同様に日本人も食料の生産過程についてもっと知るべきである。
食品の生産過程に対する無関心は、商業捕鯨よりもずっと深刻な問題だ。

例えば、日本への輸出でヨーロッパウナギが絶滅寸前に追い込まれている。
このことはニュースで大々的に取り上げられたので、知っている人も多いだろう。
よその国の野生生物を絶滅寸前まで追い込んでおきながら、
多くの日本人はウナギが食べられなくなる心配しかしていない。
ヨーロッパの人たちはどう思うだろう?
ウナギを食べていた地方では、ウナギを食べられなくなってしまった。
日本人の乱食による食文化の破壊である。
こういうことをやっていて、日本の食文化を尊重しろと言っても説得力がない。
他国の文化を尊重する心根こそが、文化の本質だろう。

他国の野生生物を絶滅寸前まで追い込んでおきながら、道義的な負い目は感じない。
それは、目の前にある食品と、その生産過程がつながっていないからだ。
確かにスーパに捨て値で山積みされていれば、絶滅寸前だとは思わないだろう。
しかし、それが現実なのだ。

金を持っているからと言って、何を買っても良いというわけではない。
道義的に買っても良いかどうかを判断する必要がある。
経済力がつけばつくほど、この手のモラルが要求されるのだが、
その経済力とは不釣り合いに日本の消費者のモラルは低い。
これに関しては消費者のみでなく、生産者や小売りにも責任はある。

Image200801151.png
生産者も小売りも、消費者の購買意欲をそぐような真似はしない。
経済活動にとって、都合が悪い情報は遮断して、
都合が良い情報のみを与えられた消費者は、
何も考えずに消費活動を続けることができる。
生産者、小売りの情報操作の結果としての、消費者の思考停止。
これが「日本の食の安心」の正体である。
一皮むけば、乱獲、乱売、乱食だ。

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今日も撮影でした

今日はケーブルテレビの番組撮影でした。

 日テレG+(ジータス)…視聴可能世帯・約578万
         ・「SKY PerfecTV!」 ・・・CS309ch
         ・「e2 by スカパー」   ・・・CS257ch ※ケーブルテレビも

番組名  
 「G+おとな館」   土曜日 22:00~22:50 初回放送
 (情報番組・50分) 月~金  11:40~12:30  月火 22:35~23:25
 
  第136回・特集コーナー「減る魚 賢く食べよう」(23分)
 
放映日  
  2008年1月26日(土)から2月7日(木)まで(予定)

いろんな締め切りに追われて寝不足だったので、
インタビューでも頭が回らなかった。
資源管理の必要性について熱く語る。
いつも以上に失言が多かったような気がするが、まあ良しとしよう。
完成度よりも勢いで勝負です。

今週から、ついに規制改革関連の会議が始まります。
正念場ですよ、皆さん。
水産分野以外の人にも水産の現状が俯瞰できるようなレジメを作っておこう。

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日経新聞の取材を受けました

マサバを例に日本の乱獲についてコメントをしたのが、明日の記事になるらしい。
今回の記事は、俺のコメントに対して、某水産経済学者がコメントをするらしい。
内容は知らされていないが、簡単に想像はつく。
まあ、いつものあれだろう。
「日本とノルウェーでは漁業の性質がちがうから、
日本の特殊性を考慮しなくてはならない」みたいなやつ。
あの非経済な獲り方を擁護できる経済学者っていうのは凄いよな。
記事を入手したらつっこみの一つでも入れてみよう。

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